元保育士で現在、執筆業のかたわら通信制大学で心理学を学んでいる、なないろです。
産業・組織心理学の分野で登場するホーソン効果とは何か、について簡単にまとめました。
期待にこたえたいという気持ちがプラスに働いた効果を、『ホーソン効果』と呼ぶ
人間は、周りから注目されると「期待にこたえたい」「がんばろう」という心理が働きます。
ホーソン実験で見えてきたホーソン効果のお話です。
ホーソン効果:期待されるとプラスに作用する
ハーバード大学 エルトン・メイヨーが、ウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行った照明に関する実験。
照明を段階的に明るくする場合と明るさが一定の場合で、どちらの生産性が向上するのかが調べられた。
結果、いずれの場合も一貫して生産性は向上し、照明の違いは作用しなかったという予想外の結果が得られた。
生産性の向上の原因として、自分たちの工場が実験の対象に選ばれたことで、
「自分たちは注目されている」
「期待されている」
という意識が従業員たちに芽生えた。
その結果、一人ひとりが努力するようになった。
また、生産性向上という目的達成のために仲間との「連帯感」が高まり、「人間関係が円滑」になったことも生産性向上の原因と考えられた。
心理学概論 森津太子
この結果から、
- 複数のグループで協力し合う
- 競い合う
- 期待されたことによる心理的変化
これらが、生産性の向上に影響したと考えられたのです。
ホーソン効果の活用方法を考える
他者から注目を浴びていることが大前提。
例えば、勉強の生産性を上げたいと考えた場合。
わたしが提案するのは、コミュニティ(SNS)に属することです。
- コミュニティに属する
- コミュニティの場で課題や学習状況を共有する
- お互い勉強にいきづまったとき可能な範囲でフォローし合う
※コミュニティの質は重要。
コロナ禍では難しいですが、世の中の状況が変わりスクーリング授業で仲間との交流がとれたら、ホーソン効果がさらに活用できそうです。
ホーソン効果とピグマリオン効果の違い
余談です。
過去、所属していたオンラインサロン内で、この記事「ホーソン効果」を見た@tack_plannerさんがフィードバックをくださいました。
(前略)
ホーソン効果の記事も読みました。昔、子供が小さい頃に「ピグマリオン効果」というのを聞いた(読んだ?)記憶がありますが、それに似た感じでしょうか?それよりは自分自身に向けた心理的効果なのかな?
いろんな心理学にまつわるお話、勉強になりました♪
@tack_plannerさん
このご質問をきっかけに、ピグマリオン効果についても簡単にまとめました。
@tack_plannerさん フィードバック・素敵なご質問をありがとうございました。
ホーソン効果を味方につけて注目される環境を作ろう
「ホーソン効果」 周りから注目されると、期待にこたえたいと力を発揮する 心理効果
周りから注目されると、期待にこたえたいと力を発揮する「ホーソン効果」
人は多かれ少なかれ、他者から影響を受けます。
「人から注目される環境」を自分で作り、勉強や作業を継続していくと力が発揮される。
がんばろうという気持ちから、自分や周りの期待にこたえたいという心理が働き、プラスに作用する。
ぜひホーソン効果を味方につけて力を発揮していきましょう。